高校生物をまとめてみる

高校の生物教員が生徒たちへ向けて「生物基礎」・「生物」の内容をまとめています。

【生物基礎】第3章 体内環境と恒常性(免疫)

1.生体防御

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物理・化学的防御

・物理的 … 角質層(ケラチン)の形成、気管の繊毛運動、粘液の分泌など。

・化学的 … 汗や涙に含まれるリゾチーム(酵素)による分解、消化液による殺菌など。

 

自然免疫と獲得免疫

自然免疫と獲得免疫では、担当する細胞や抗原を排除するしくみが異なる。

獲得免疫には、体液性免疫細胞性免疫がある。

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2.獲得免疫(体液性免疫・細胞性免疫)

獲得免疫は、抗原に対する免疫記憶と二次応答ができることが最大の特徴になる。

免疫記憶

獲得免疫が働いた際に、B細胞やT細胞の一部が記憶細胞となって残り、抗原の情報を記憶すること。

二次応答

同じ抗原が侵入した際に、記憶細胞が直ちに活性化し、1回目より強くて速い免疫反応が起こること。

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3.免疫と疾患

・アレルギー

アレルゲンに対する過敏な免疫反応が起こる疾患。

例:花粉症、アナフィラキシー

・自己免疫疾患

自己の細胞などに対して免疫反応が起こる疾患。

例:関節リウマチ、I型糖尿病

・エイズ(AIDS)

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)ヘルパーT細胞に感染し、破壊するために起こる疾患。

・予防接種

無毒化した抗原(ワクチン)を接種することで、免疫記憶をつくり、感染を予防する方法。

・血清療法

抗体を含む血清を接種することで、病気を治療する方法。

例:破傷風、ジフテリア、ヘビ毒

・ABO式血液型

赤血球表面の凝集原と血しょう中に存在する凝集素による抗原抗体反応(凝集反応)。