1.核移植
核移植(アフリカツメガエル)
ガードンによる実験。
カエル(黒色)の未受精卵に紫外線を照射して核を破壊し、別のオタマジャクシ(白色)の体細胞の核を移植した。
⇒ この核を移植した卵は、未受精卵の形質(黒色)ではなく、移植した核の形質(白色)を受け継ぎ、成体のカエル(白色)まで成長した。
⇒ 分化の進んだ体細胞の核にも、体をつくるのに必要なすべての遺伝情報が入っている。
クローン作成(ヒツジ)
品種Aの未受精卵に紫外線を照射して核を破壊し、品種Bの乳腺細胞の核を移植した。
⇒ この核を移植した卵を品種Aの子宮に入れた。
⇒ 移植した核の形質(品種B)を受け継ぎ、品種Bのクローンが誕生した。
2.だ腺染色体の観察
だ腺染色体
ハエやユスリカ(双翅類)に見られる、だ腺(唾液を出す外分泌腺)の細胞に含まれる巨大な染色体。
染色体の複製が繰り返され、相同染色体どうしが結合しているため、巨大になっている。
だ腺染色体を染色した際に見られる横縞は、遺伝子の位置と対応している。
パフ
だ腺染色体に見られる膨らみ。
内部では、遺伝子の転写が行われ、mRNAが合成されている。
パフと遺伝子の発現
パフができている = その部分の遺伝子が転写されている
幼虫期には幼虫の成長に必要な遺伝子を転写するなど、成長に伴ってパフのできる位置(=転写する遺伝子)は変化する。
3.遺伝学史
研究者の名前と研究内容を合わせて整理しておきましょう。(順番も大切。)
遺伝子はどこにあるのか?
1865年 メンデル
エンドウマメの実験から、遺伝の法則(メンデルの法則)を発見。
⇒ 親から子へ受け継がれる物質 = 遺伝子の存在を予測。
1900年 ミーシャー
膿に含まれる細胞の核からDNAを発見。
1903年 サットン
「遺伝子は染色体上に存在する」という染色体説を提唱。
⇒ 遺伝子は染色体を構成するDNAかタンパク質の中にある。
遺伝子とDNAの関係を明らかにする
1928年 グリフィス
肺炎双球菌を用いて、形質転換という現象を発見。
1944年 エイブリー
形質転換を起こす物質はDNAと証明。
1950年 シャルガフ
シャルガフの規則(A=T、G=C)を提唱。
1952年 ハーシー、チェイス
遺伝子はDNAの中にあると証明。
DNAの構造を明らかにする
1953年 ウィルキンス、フランクリン
DNAのX線写真の撮影に成功。
1953年 ワトソン、クリック
DNAの二重らせん構造を提唱
*1:生物知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より
*2:http://karugamokinen.cocolog-nifty.com/blog/images/akamushi7_l.jpg より
*3:生物知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より