高校生物をまとめてみる

高校の生物教員が生徒たちへ向けて「生物基礎」・「生物」の内容をまとめています。

【生物基礎】第2章 遺伝子とその働き(DNAの複製・転写・翻訳)

1.体細胞分裂

体細胞分裂の過程

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*1

・中期の違い

 動物細胞: 中心体が星状体となり、紡錘体が形成される

 植物細胞: 中心体をもたずに紡錘体が形成される

・終期の違い

 動物細胞:くびれができる  

 植物細胞:細胞板ができる

 

2.体細胞分裂の観察

使用する薬品とその効果を整理しておきましょう。

1.酢酸に浸す。 

 ⇒ 固定(細胞の分裂を停止させる)

2.塩酸に浸す。 

 ⇒ 解離(細胞どうしを離れやすくさせる)

3.酢酸オルセイン溶液をかける。 

 ⇒ 染色(染色体を染める)

4.カバーガラスをかけ、押しつぶす。

 

3.DNAの複製・細胞周期

体細胞分裂の際のDNA量の変化

この細胞周期のグラフを必ず書きましょう!!

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*2

・間期

分裂期に入る前の準備期間。G1期・S期・G2期に分かれる。

G1期(DNA合成準備期)

S期(DNA合成期): DNAの合成が行われ、DNA量が2倍になる。

G2期(分裂準備期)

 

・分裂期(M期)

終期に細胞が2つに分かれるため、核や細胞1個あたりの DNA量が半分になる。

 

細胞数と時間の関係

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*3

全細胞数に対する各時期の細胞数の割合 と 細胞周期に対する各時期にかかる時間の割合は一致する。

 

4.転写・翻訳

遺伝子の発現

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DNA中の遺伝子(タンパク質の設計図)の塩基配列が転写・翻訳され、タンパク質が合成されること。

 

転写

DNAの遺伝情報(塩基配列)をmRNAに写し取る過程。

このとき、DNAの塩基A, T, G, Cには、それぞれmRNAの塩基U, A, C, Gが結合する。

 

翻訳

mRNAの塩基配列に基づいてアミノ酸が結合していき、タンパク質が合成される過程。

このとき、mRNAの塩基3つの並び(コドン)をもとに、tRNAによってアミノ酸が運ばれる。

 

セントラルドグマ

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*4

遺伝情報は DNA → RNA → タンパク質 という一つの流れに基づいて発現するという考え。

 

5.発生とタンパク質 

分化

細胞がそれぞれ異なる形態や機能をもつようになること。

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すべての細胞には同じ遺伝情報が含まれており、細胞ごとに異なる遺伝子が発現する(異なるタンパク質がつくられる)ことによって分化が起こる。

 

タンパク質

20種類のアミノ酸が多数結合してできた物質。

様々な種類やはたらきをもつ。

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タンパク質は、DNA中の遺伝子の情報をもとに合成され、細胞内や細胞外へ分泌される。

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*1:生物知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より

*2:生物知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より

*3:生物知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より

*4:リードα生物基礎 / 数研出版 より

*5:生物知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より