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高校生物をまとめてみる

高校の生物教員が、生徒たちへ向けて「生物基礎」・「生物」の内容をまとめています。

【生物基礎】第5章 生態系とその保全(環境問題)

1.地球温暖化

二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、水蒸気、フロンなどの温室効果ガスが、地表から放出された熱(赤外線)を吸収し、気温が上昇する現象。

近年の気温の上昇は、化石燃料の消費による二酸化炭素の増加が要因と考えられている。

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二酸化炭素濃度は、短期的には植物の光合成によって減少するため、光合成が活発な夏季には二酸化炭素濃度が減少し、冬季には二酸化炭素濃度が増加するという季節変動が見られる。

 

2.富栄養化

有機物を豊富に含んだ汚水が海洋や湖沼・河川に流入することによって、水中の無機塩類(窒素化合物やリン酸塩)の濃度が増加し、プランクトンが異常増殖する現象。

・赤潮

海洋において、プランクトンが異常増殖し、表面が赤褐色に変化すること。

・水の華(アオコ)

河川・湖沼において、プランクトンが異常増殖し、表面が青緑色に変化すること。

 

また、植物プランクトンは季節の変化に応じて個体数を増減させる。

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冬: 光量・水温が低く、植物プランクトンが減少する。

→ 栄養塩類が消費されず、増加する。

春: 光量・水温が上昇し、植物プランクトンが増加する。

→ 栄養塩類が消費され、減少する。

夏: 光量・水温が最大になる。

→ 植物プランクトンは消費者に捕食され、減少する。

秋: 光量・水温が低下し始める。落葉などにより、栄養塩類が増加する。

→ 植物プランクトンが増加する。

 

3.生物濃縮

食物連鎖を通して物質が移動し、高次消費者の体内に有害物質が高濃度に蓄積されていく現象。

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*有害物質

有機水銀(水俣病)、カドミウム(イタイイタイ病)、DDT、ダイオキシン、PCB

 

4.自然浄化

河川に汚水が流入した際、生物によって汚水中の有機物が分解され、元の状態まで浄化される作用。

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・個体数の変化

汚水の流入

→ 汚水中の有機物を分解する細菌の増加

→ 細菌を捕食する原生動物の増加

→ 細菌の減少

→ 原生動物の減少

 

・物質量の変化

細菌の有機物分解によるアンモニウムイオン等の増加

→ アンモニウムイオンを吸収する藻類の増加

→ 藻類の光合成による溶存酸素の増加

 

*BOD(生物化学的酸素要求量)

水中の有機物が微生物の呼吸によって分解されるときに消費される酸素量。

BODが高いほど、汚濁が進んでいるとみなすことができる

 

5.外来生物

人間の活動によって本来の生息地から別の場所へ運ばれ、そこに定着した生物。

生態系や産業に大きな影響を及ぼす生物は、特定外来生物に指定され、飼育や輸入が禁止される。

例: ブラックバス、マングース、アライグマ、セイヨウタンポポ

 

本来の生息地に生育する生物は在来種とよばれ、ある特定の地域のみに生育する種は固有種とよばれる。