高校生物をまとめてみる

高校の生物教員が生徒たちへ向けて「生物基礎」・「生物」の内容をまとめています。

【生物基礎】第3章 体内環境と恒常性(自律神経系と内分泌系)

1.ヒトの神経系

神経系の分類

中枢神経系

 脳(大脳・間脳・中脳・小脳・延髄)

 脊髄

末梢神経系

 自律神経系(交感神経・副交感神経)

 体性神経系(感覚神経・運動神経)

 

脳のはたらき

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*1

大脳 … 思考、判断、記憶、 感覚、随意運動の中枢。

間脳 … 視床、視床下部(自律神経系の中枢)を含む。

中脳 … 姿勢保持、眼球運動の中枢。

小脳 … 平衡感覚の中枢、筋肉運動の協調中枢。

延髄 … 心臓の拍動、嚥下運動、呼吸運動の中枢。

脳幹間脳・中脳・延髄を合わせたもの。生命活動の維持に働く。

 

2.自律神経系

自律神経系

交感神経副交感神経からなり、互いに拮抗的に働く。

最高中枢は間脳の視床下部

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*2

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交感神経

からだを活動状態にする。

神経伝達物質としてノルアドレナリンを分泌し、各器官のはたらきを調節する。

脊髄から出る。

 

副交感神経

からだを安静状態にする。

神経伝達物質としてアセチルコリンを分泌し、各器官のはたらきを調節する。

中脳・延髄・脊髄から出る。 

 

3.内分泌系

内分泌腺

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*3

ホルモンを分泌する器官。内分泌腺の集まりを内分泌系という。

排出管をもたず、直接血液中にホルモンを分泌する。

*外分泌腺 … 排出管をもち、体外(消化管内)に汗や胃液などを分泌する。

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*4

 

ホルモン

内分泌腺から血液中に分泌され、血流にのって全身に運ばれる物質。

ホルモンはそれぞれ特定の器官(標的器官)の受容体に受け取られ、微量で大きな作用を示す。

*セクレチン … 最初に発見されたホルモン。十二指腸から分泌され、すい臓でのすい液の分泌を促す。

 

4.ホルモン

ホルモンが分泌されるまで

間脳視床下部は神経細胞の集まりですが、神経分泌細胞というホルモンを分泌できる細胞を持ちます。

そのため、放出ホルモンを分泌して脳下垂体前葉を刺激することもできますし、神経細胞を介して副腎髄質やすい臓を刺激することもできます。

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ホルモンのはたらき 

重要なホルモンについてまとめています。ホルモンの名前とはたらきは必ず覚えておきましょう。

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5.ホルモンの分泌調節

フィードバック調節

最終的に分泌されたホルモンが、その前の視床下部や脳下垂体に作用することで、ホルモンの分泌量を調節するしくみ。
 

例:チロキシンが増加した場合(→チロキシンの分泌を抑制する)

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*5

甲状腺から分泌されたチロキシンが血流にのり、視床下部や脳下垂体前葉に作用する。

→ 視床下部や脳下垂体前葉に血中のチロキシン濃度の増加が感知される。

→ 放出ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの分泌が抑制される。

→ 甲状腺が刺激されなくなり、チロキシンの分泌が抑制される。

 

このように、上昇していたホルモン濃度を低下させるような「逆」の調節を行う場合を「負」のフィードバック調節という。

*正のフィードバック調節 … 生殖腺刺激ホルモンの分泌・血液凝固など。

*1:生物 知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より

*2:生物 知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より

*3:必修アクセス生物基礎 / 浜島書店 より

*4:生物 知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より

*5:生物 知識の焦点 / 舘野正樹著 / Z会 より