1.生物の多様性と共通性
生物の多様性
名前がつけられている種は約180万種。
原核生物(細菌・古細菌)・原生生物・菌類・植物・動物に分類される。(五界説)
大きく分類すると、細菌ドメイン・古細菌ドメイン・真核生物ドメインに分類される。(3ドメイン説)
生物の共通性
細胞をもつ・代謝をおこなう・遺伝情報(DNA)をもつ・恒常性を維持する
これらの特徴を持てば、「生物」と定義することができる。
*ウイルス
ウイルスは、細胞という構造を持たず、単独では代謝や生殖を行うことができないため、現段階では「生物」とは定義されていない。
2.細胞の発見と顕微鏡の発達
・フック
自作の顕微鏡で細胞(コルク片:死んだ細胞)を発見。『ミクログラフィア』を著す。
・レーウェンフック
顕微鏡下で生きた細胞を観察。
・ブラウン
核を発見。
・シュライデン
植物についての細胞説(生物のからだは細胞からできているとする説)を提唱。
・シュワン
動物についての細胞説を提唱。
・フィルヒョー
「すべての細胞は細胞から生じる」と提唱。
3.いろいろな細胞の大きさ
ミトコンドリア(2 μm)< 葉緑体(5 μm)< 赤血球(7.5 μm)
ゾウリムシ(200 μm)が肉眼で見えるギリギリの大きさ。
4.植物細胞と動物細胞
・動物細胞 … 中心体をもつ。
・植物細胞 … 葉緑体・(発達した)液胞・細胞壁をもつ。
細胞小器官の構造とはたらき
5.原核細胞と真核細胞
原核生物
原核細胞(核や細胞小器官をもたない細胞)からなる生物。
単細胞生物のみ。
例: 大腸菌・乳酸菌・シアノバクテリア(ネンジュモ)
真核生物
真核細胞(核や細胞小器官をもつ細胞)からなる生物。
単細胞生物、多細胞生物のどちらも存在。
例: 酵母菌(←間違いやすいので注意!)・オオカナダモ
原核生物と真核生物の細胞小器官の違い
・すべての生物が細胞膜をもつ。
・菌類は細胞壁をもつ。
6.単細胞生物と多細胞生物
単細胞生物
からだが1個の細胞からなる生物。
多細胞生物
からだが多数の細胞からなる生物。
それぞれの細胞は機能やはたらきが異なっている(=分化)。
細胞群体
複数の単細胞生物が集まって、1つの個体のように生活する集合体。
例: ボルボックス・パンドリナ(どちらもクラミドモナスに似た細胞の集まり)
単細胞生物のからだのつくり
ゾウリムシは、1個の細胞からなるが、さまざまな細胞内構造をもっている。
多細胞生物のからだのつくり
分化した細胞どうしが集まって組織をつくり、組織が集まって一つのはたらきを行う器官をつくる。(細胞→組織→器官)
7.植物の組織
植物の組織は、分裂組織と分化した組織(表皮系・維管束系・基本組織系)に分けられる。
分裂組織
・頂端分裂組織
茎や根の先端にある組織。伸長成長(縦方向の成長)に関与する。
例: 茎頂分裂組織、根端分裂組織
・形成層
茎や根の木部と師部の間にある組織。肥大成長(横方向の成長)に関与する。
分化した組織
*4
・表皮系
表皮系の細胞は葉緑体をもたないが、孔辺細胞は例外的に葉緑体をもつ。
例: 表皮細胞、孔辺細胞、根毛
・維管束系
葉では、上側に木部、下側に師部がある。
茎では、内側に木部、外側に師部がある。
例: 木部(水や無機塩類の通路、死細胞)、師部(光合成産物の通路、生細胞)
・基本組織系
基本組織系の細胞は葉緑体をもつ。
例: 柵状組織、海綿状組織(細胞間隙が発達)
8.動物の組織
動物の組織は、上皮組織・結合組織・筋組織・神経組織に分けられる。
上皮組織
体の表面や、消化管・血管などの表面を覆う組織。
例: 表皮、分泌腺、小腸の柔毛
結合組織
組織や器官どうしを結合する組織。
例: 血液、骨組織、軟骨組織、真皮、腱、脂肪
筋組織
筋繊維からなる、筋肉をつくる組織。
縞模様が観察される横紋筋(骨格筋、心筋)と縞模様がない平滑筋(内臓筋)に分けられる。
例: 骨格筋、心筋、内臓筋
神経組織
組織・器官の間の情報伝達にはたらく組織。
例: 神経細胞、グリア細胞